無人搬送車は屋外でも導入が可能です。ここでは屋外での無人搬送車活用方法や、屋外用無人搬送車と屋内用無人搬送車についての違いなどについて紹介します。
一般的に無人搬送車は屋内の清潔な環境下で使用されていることが多いですが、屋外でも活用されているものもあります。屋外用無人搬送車は、基本的に屋内用と機能の差異はほとんどありません。カート型をメインに、ゴルフ場や工場の建屋間、港湾や空港などで活用されています。
屋外用無人搬送車は、屋内用無人搬送車と比べてどのような違いがあるのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。
屋外用無人搬送車は、雨風や太陽光にさらされる環境下での使用となります。また場所によっては一般車両との交差や人との干渉などがあることも。屋内とは異なる環境条件となるため、使用する無人搬送車やその付帯設備、運航をつかさどる運行管理システムについてはその環境に合ったものを活用する必要があります。
現在では、太陽光に影響されないことや汚れの影響が少ないこと、一般車両や自車によって踏みつぶされたりしないことなどの条件を満たした磁石誘導方式の屋外用無人搬送車が活用されているケースが多いです。
屋内との違いには、路面の凹凸や段差が大きいこともあります。屋外の路面条件は屋内に比べて悪いですが、それでも積荷を積んだ状態で安定した姿勢を維持し、走行する必要があります。屋外用無人搬送車は常に車輪が路面に接していて、かつ荷台がほぼ水平になるようなサスペンション機構を採用する必要があるでしょう。
屋外では屋内と異なり、自然の環境下で使用することになります。屋外での無人搬送車活用時の注意点について紹介します。
屋外では自然環境下で使用することになるため、場合によっては雨によって故障する可能性もあります。
無人搬送車の中には、ニーズに合わせてカスタマイズすることが可能な機種もあります。屋外用に使用するならば、防雨対策を施した無人搬送車がおすすめ。雨除けが付いているものもあります。
屋外では、斜面や地面の凹凸、グレーチングなどがある路面を走行しなければならない場合もあります。無人搬送車には耐久性の高い大径車輪が付いているものもあり、そのような機能を有する無人搬送車ならば傾斜を登ることも可能です。
経路誘導式の無人搬送車を活用する手もあります。経路誘導式とは経路に沿って誘導体を設置し、誘導体によって無人搬送車が自動走行する無人搬送車のこと。経路誘導式ならば決められたルートしか通らないようにできるため、斜面や凹凸のある地面を通らないルートにあらかじめ誘導することも可能です。
屋外用無人搬送車に対応しているメーカーについて紹介します。
株式会社ヘッズの屋外カート型AGVでは、建屋から建屋への屋外走行をすることができます。電磁誘導方式で、アスファルトや屋根のない場所でも走行可能。障害物センサーやパトライ点滅機能があるため、無人でも安全に走行できます。
また、有人モードに変更して運転することができるのもメリットのひとつ。人が昇って降りて搬送する必要がなくなり、少人化を可能に。作業者の負担低減と作業効率向上が期待できる屋外用無人搬送車です。
最高速度は最大10kg。走行は前進のみで、サイズは約1800mm×1200mmです。
愛知機械テクノシステムの屋外タイプは、最小旋回半径R700と省スペースでの旋回が可能なため、建屋間から構内まで幅広いゾーンでの活用が期待できます。路面の凹凸や建屋進入時のスロープに強い大径車輪を採用。特に建物間の搬送に適している無人搬送車でしょう。各部位には雨天対応もされています。
自動車の自動運転でも使用されている「3D Lidarセンサー」を2個使い、3Dで遠景を含めた周辺環境を把握することが可能に。精度が上がり、経路を見失うリスクを軽減します。また磁気ケーブルが不要なので、経路の変更や追加が簡単です。
牽引重量は、最大3,000kg。10段階切り替え可能で走行速度は約120m/分、走行方向は主に前進(多少のバックも可能)です。安全対策として障害物検知による衝突防止、表示灯、メロディユニット機能などが付いています。サイズは1545×732×1425mmです。