無人搬送車の導入はコストがかかりますが、中には自分で自由に組み立てられるキットを販売している無人搬送車メーカーもあります。ここでは、自作AGVとはどういうものか、説明と制作工程の流れについて紹介します。
無人搬送車を導入することで、従業員の負担やヒューマンエラー、コストを低減することが可能です。このように導入メリットの多い無人搬送車ですが、導入費用が高額であるというデメリットもあります。
無人搬送車本体を購入するコストはもちろんですが、無人搬送車を効率的に運用するためには現場設計自体の見直しなども発生します。そのため、さまざまな面でコストがかかってしまうものなのです。
無人搬送車というと難しそうに感じますが、シンプルに考えると無人搬送車はサーボモータで動く電動台車のことです。無人搬送車メーカーの中には、自分で自由に組み立てられる自作AGV(無人搬送車)キットを販売しているところもあります。そのようなキットを利用すれば、低コストで自由にカスタマイズされた無人搬送車を自作することができるでしょう。
では、無人搬送車を自作する流れを見ていきましょう。
まずは筐体(アルミフレーム、または市販の台車)、バッテリー、キャスター(受動輪2軸)、スイッチ、車輪付きサーボモータ、サーボドライバを用意します。サーボモータとは、回転位置や回転速度などを制御できる制御機構を備えているモータのこと。サーボドライバは、サーボモータを動かすアンプのことです。
そして、これらの部品を組み合わせて基本的な電動台車を完成させます。スイッチをスティック(レバーを傾けることで方向入力が行えるジョイスティック)に変えれば、後退や旋回も自由自在に行うことができるでしょう。
つくった電動台車にガイドセンサを追加すれば、無人搬送車としてのベースシステム完成です。
路面上にガイドテープを敷設することで、ガイドテープの磁束を検知しながら無人搬送車をルートに沿って走らせて目的の場所まで誘導することができます。レイアウト変更にも柔軟に対応可能です。
複雑に動かしたいのならば、ガイドセンサを番地センサに変えましょう。番地センサなら床上に設置されたマーカーマグネットを検出して、無人搬送車の位置情報や停止・減速などの制御を行うことができます。
対人センサなどを付ければ安全面の確保が可能に、シーケンサなど上位装置を用意すれば立ち上げがスムーズになります。環境や要望に合わせて自由にカスタマイズすることで、より効率的に利用できるようになるでしょう。