ちかごろ大きな広がりを見せつつある工場のひとつに、植物工場というものがあります。これは、厳しい天候や災害発生などによる影響を回避し、おいしい作物を栽培していくための工場のことです。栽培から収穫までのプロセスが、人工的に制御された環境条件のもと、工場内でおこなわれます。環境条件は、効率性や採算性などを重視して設定れています。
育苗室にて植物の種子を発芽させます。その後、苗を栽培室に移します。栽培室の中では、生育用の栽培棚で培養液などを使いながら生育を促す作業をおこないます。作業を進めるときには、つねに工場内の環境についても頭に入れておかねばなりません。温度・湿度・光の量などが、それぞれの広さや使用方法などに応じた適正値に保たれているかどうかの確認が必要不可欠です。
また、植物工場は外部と遮断されている環境であるとはいえ、細菌が侵入する可能性もゼロではないため、洗浄も大切な作業のひとつです。
植物が充分に育ったら、収穫作業に入ります。生育室から作業室に移し、包装が済み次第、出荷される流れとなります。収穫作業をおこなう際には、栽培パネル下の栽培樋などに残っている培養液を取り除く作業もおこなわれます。
植物を屋外で育てる際には、天候や自然災害などにより植物がダメージを受け、結果として発育不良につながるリスクがあります。そういったリスクを回避できるのが植物工場です。また、しっかりと植物を生育していくための要素のひとつとして「光」が挙げられます。そして、植物工場は、使用する光の種類によって、3つにわけられます。
外部からの光を遮断し、蛍光灯やLED照明を使用します。外部からの光をシャットアウトした環境になっています。
温室で、太陽光を取り入れる方法です。日照不足の際には、人工光で補うといった対応をとる場合もあります。
人工光・太陽光の両方を使用する方法です。不安定さがある太陽光よりも、天候などの影響を受けない人工光をより多く使います。
産業機械やIT技術の導入で、私たちの生活は大きな変化をとげています。もちろん、農業分野においても、そういった状況は同様です。運搬作業など、労力を要する力仕事も、一定の自動化が実現されています。とはいえ、自動化の度合いはまだまだ低く、人の判断が必要不可欠であるシーンは、依然としてたくさん残されています。加えて、人がさまざまな力仕事を今でもおこなわなくてはならないのが実情です。
農業に従事している方の高齢化が進んでいるのも、大きな課題です。2020年には65歳以上が占める割合は全体のほぼ7割に達しています。そして、農業御従事者の数が減り続けているの状況も、深刻です。2015年には176万人だった基幹的農業従事者は、2020年には136万人にまで減少しました。これは、農業に従事する若手があまりいないことが、大きな原因のひとつとなっています。
参照元:農林水産省公式HP(https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html)
スマート農業とは、農業が抱えている課題への対応策として、注目を集めている農業への取り組み方です。先端技術を導入して、業務の効率化を目指すことが、主な特徴です。農林水産省も積極的な導入を推進するために、実証プロジェクトを実施したりガイドラインを作成したりしています。また、スマート農業が浸透しやすくなるような環境づくりとして、データ連携基盤や支援サービスの紹介もおこなっています。
レタスの収穫が済むと、レタス育成用発泡ボードを洗浄・乾燥後、再利用しています。その発砲ボードを、100メートルも離れたところに運搬する必要があったのですが、かつてはスタッフが台車でその作業をおこなっていました。こういった単純作業を自動化したいと考えて、無人搬送車を導入することに。台車を使っていたころよりも、1度に大量の発砲ボードを運べるようになり、生産性をアップさせることに成功しました。重労働のひとつであった運搬作業が自動化されたおかげで、労働環境の改善にもつながりました。
参照元:SHARP公式サイト(https://jp.sharp/business/case/agv/agv_detail_1.html?category=自動搬送装置(AGV)&target=最新事例(全業種)&scroll=scroll)
収穫物を栽培室から集出荷室まで運ぶことが、スタッフにとって、かなりの重労働となっていました。人手不足も抱えていたので、スタッフの負担を軽減するためにも、この運搬作業を任せられる無人搬送車の導入を決意。走行の設定を最適化するなどして使用することで、自動搬送が実現しました!また、これまで運搬作業のために割いていた時間を、他の作業にあてることで、業務の効率化というメリットも得られました。