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AGVとRGVの違い

無軌道で自動走行するAGVと、軌道を必要とするRGVの違いを紹介します。

RGVと比較したときのAGVのメリットとデメリットもまとめました。

AGVとRGVの違いとは

AGVはAutomated Guided Vehicleの略で、「無人搬送車」のことを指します。RGVとはRail Guided Vehicleの略で、「有軌道無人搬送車」のことです。どちらも工場や倉庫などの物流現場で使用されます。

AGVとRGVの一番の違いは、軌道があるかないかです。AGVは軌道を必要とせず、マッピングしたエリアを走行。一方RGVは、屋内に設置したレールの上を走ります。

AGVとは

AGVは、無軌道で自動走行する搬送車のこと。レールを設置する必要がないので、無人搬送車を導入する際のコストダウンを実現することが可能です。

AGVの特徴は、車体を誘導する方法によって多少異なります。誘導方法は、「線路誘導式」「自律移動式」「追従式」「アクティブ式」「パッシブ式」の5つです。

  • 線路誘導式
    磁気テープや光反射テープ、電磁誘導ケーブルなどの誘導体でルートを判別させて自動走行させる方法です。誘導体を設置するため、ルートは固定されます。
  • 自律移動式
    搬送車が自律して移動する方法です。車体には、自己位置推定機能や走行制御機能が搭載されています。ルートが固定されないので、障害物があったときにも自動で判断して目的地まで到着可能です。
  • 追従式
    先行する人や車両を追従して走る方法。車体に追従センサーが搭載されており、追従対象を検知・区別します。
  • アクティブ式
    車体が誘導体に信号を送り、誘導体からの反射信号を受信して自律走行する方法です。走行ルートに電線を埋没させる電磁誘導方式や、床に磁気テープを貼り付ける磁気誘導方式があります。
  • パッシブ式
    誘導体からの信号を受信してルートを検出し、自律走行する方法です。光センサーで信号を検出する「光学反射方式」や、イメージセンサーを使用する「画像認識式」があります。

RGVとは

RGVを走行させるには、レールが必要です。 RGVの車体へ電力を供給する集電レールを床に設置して、車両を走らせます。レールを設置するぶん初期費用は高いです。ただし、レールがあることによって横荷重に強くなり、高速走行も可能になります。

RGVと比較したAGVのメリット

設置範囲を削減できる

RGVとは違ってAGVはレールを設置しなくてよいので、搬送車を走行させるために必要な面積を削減することができます。新設する工場や倉庫の場合には、レールの範囲を確保しなくてよくなりますし、既存の工場や倉庫に導入する場合には、レールを撤去したエリアを他の業務に振り分けて効率化を図ることも可能。

走行ルートを変更する際には、誘導体を設置する線路誘導式やアクティブ式、パッシブ式であっても、レールを設置し直すよりは容易です。自律移動式や追従式なら、マッピングを変更するだけで走行ルートを変更できます。

少人数での対応が可能

AGVは、RGVよりさらに柔軟に走行ルートを設定できるので、作業場所まで車体を接近させることが可能です。また、AGVの種類によっては、高頻度で使用する棚を認知して効率的なルートを学習するような機能も持っています。このような特徴から、同じ業務量であってもAGVの方が少人数での対応が可能に。労働力不足の解消には人員を増やすだけでなく、AGVを導入するという解決策もあるのです。

人員の移動時間が削減できる

RGVを使用している場合は、人がレール付近まで移動しなければなりませんが、AGVなら搬送車を人に近づけることが可能です。レールを設置できない屋外を走らせるAGVもあります。そのため、人員の移動時間を削減することが可能です。追従式のAGVなら、さらに人と荷物の間の距離を短くすることができ、移動時間の大幅な削減を実現できます。

RGVと比較したAGVのデメリット

導入コストがかかる

RGVにはレールの設置費用がかかる一方で、AGVは充電式のため、一般的に数多くの車体が必要です。たくさんの車体を導入するコストがかかります。さらに、RGVからAGVに変更する場合には、RGVのレールと車体を撤去する費用も必要です。

これらのコストと業務量や人員、効率化による生産性の向上などを踏まえて検討するとよいでしょう。工場や倉庫内のレイアウトをどう変更するか、AGVと人がどのように業務を分担するか、AGVの導入によりどの程度人件費を削減できるかなどを、事前にシミュレーションすることが大切です。

電力効率が悪い

集電レールから車体へ電力を供給するRGVとは違って、AGVの車体は充電式になります。そのため、充電装置やバッテリー交換が必要です。また、走行ルートが柔軟で小回りがきくので、RGVよりは電力効率が悪くなります。生産性の向上などによって得られるメリットと比較して、AGVの導入を検討するとよいでしょう。

製品数×走行性能で比較無人搬送車(AGV)
メーカー5選

無人搬送車(AGV)メーカー32社のうち、製品数の多い順に5社を厳選。各メーカーの製品数と種類で比較していきます(2021年4月15日時点の情報)。

幅広い対応力で
理想のAGVを提案
ヘッズ

公式サイトで製品を
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製品数
50製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
屋外型イメージ
屋外型
コンベア型イメージ
コンベア型

20t超の
超重量搬送に対応
エレメックス

公式サイトで製品を
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製品数
20製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
屋外型イメージ
屋外型
重量型イメージ
重量型

非生産系分野の
実績多数
シコウ

公式サイトで製品を
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製品数
12製品
ラインナップ
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
コンベア型イメージ
コンベア型
重量型イメージ
重量型

多種多様な
オプションを用意
愛知機械
テクノシステム

公式サイトで製品を
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製品数
11製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
屋外型イメージ
屋外型

現場に合わせた
誘導方式を提供
明電舎

公式サイトで製品を
詳しく見る

製品数
11製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
フォークリフト型イメージ
フォークリフト型