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製薬工場における課題と改善策

製薬工場における課題と改善策について紹介します。また、無人搬送車を導入することによって解消が期待できる課題や、無人搬送車導入事例についてもまとめました。

製薬工場の作業内容

製薬工場とは、医薬品や医薬部外品を製造したり、飲料などを受注・生産管理する工場のこと。薬品を取り扱うため製造時の異物の混入がないよう徹底的にクリーンな状態に整備されています。また働く本人も清潔感に気を付ける必要があり、小さなチリの混入も防がなければならないため化粧NGの工場上も多いです。

検査のように黙々と作業をする仕事もあれば、材料を運んだりと薬品の知識を必要としない仕事もあります。では製薬工場での作業にはどんなものがあるのか、製薬会社の工場の製造ラインの一般的な流れを紹介します。

入荷・受入試験

主原料や添加物などの原材料、PTPシートや箱など梱包資材などを入荷し、それらに品質上の問題や誤りがないか試験を行って確認する作業です。

秤量

入荷した原材料をふるいにかけたり粉砕したりした後、規定の量を測って分けていきます。オペレーターが機械を使って計量する場合もありますが、工場によっては自動計量システムが導入されていることも。原材料の取り間違いなどを防ぐため、バーコード管理するなどのリスク対策がとられています。

造粒

粉末状の原材料に精製水などの結合液を加え、高速で攪拌して乾燥させる作業です。造粒することで、粒が揃った顆粒の状態にすることができます。原材料を顆粒にして扱いやすくすることで、作業効率を向上させることが目的です。

混合・打錠

混合とは1錠分をとったときにどれも同じ成分になるようにするための作業で、顆粒の状態になった原材料と添加剤を均一に混ぜます。打錠は薬の形に成型する作業のこと。顆粒を打錠機と呼ばれる機械で圧力をかけることで錠剤の形に成型します。

コーティング

打錠した錠剤をフィルムコーティング機にかけ、高分子の膜で覆います。苦味を防いで飲みやすくするためだけでなく、溶ける時間を調整するためだったり、粉砕しないように表面を守るためや光や水分から守るためなど、薬の特性に合わせてさまざまな目的で行われます。

印刷

薬の表面に製薬会社や薬を識別するためのコードを印刷します。印刷によって患者の飲み間違いを防ぐ効果も期待できます。

検査

自動外観検査機を用いて全数検査を行います。さまざまな面からチェックされ、割れや異物混入があるものは取り除かれます。印刷工程がある場合は、印刷のズレがないかをカメラによって検査されます。

包装・出荷

検査に合格したら錠剤をPTP充填包装機で包装します。シートに異物が混入していないか検査を行い、1シートごとにカット。重量検査を行った後、段ボールに梱包して倉庫に搬入します。出荷前に最終製品試験を行い、問題がなければ出荷されます。

製薬工場における課題

生産性の向上が進んでいない

製薬工場では、他産業に比べて生産性の向上が進んでいません。それは製薬産業が人の命を預かる大切な産業であり、それゆえに高いハードルとなる制約条件があるからです。また少子高齢化による人手不足も進んでいて、それも生産性向上の足を引っ張っている状況です。

生産性の向上を上げるためには、製薬工場の全工程を連動させ自動化する必要があります。デジタル技術を取り入れることで製薬産業の活性化に繋がるでしょう。

薬価の引き下げの実施

日本では、高齢化社会が進むとともに国民全体の医療負担も年々増加しています。そこで国は医療費抑制の手段の一つとして薬価引き下げを実施していて、このことは製薬業界にとって非常に重い課題となっています。薬価が下がると新薬の開発をしても研究開発費が回収できず、採算がとれなくなる恐れも。製薬工場のコストも抑える必要があります。

製薬工場における環境改善策

デジタル技術の活用

製薬工場における一連の業務をデジタル化できれば、製造効率の向上とともに品質の向上が期待できるでしょう。データ活用によって工程の最適化ができれば、コストの削減にもなります。

また、従来の医薬品の品質保証では全数検査が不可能とされていてサンプルの抜き取り検査が行われてきましたが、デジタル化を強化することで薬の品質に影響する重要工程パラメータを連続的に監視・記録・保存することが可能に。今後は今までで不可能だった全数保証に繋がっていくかもしれません。

無人搬送車が叶える効率化

作業の省人化による生産性向上

無人搬送車を導入することで、搬入作業作業の省人化を実現します。また、無人搬送車を自動ピッキングマシンや無人フォークリフトなどほかの物流機器と連携させることで、更なる生産性向上が期待できます。

品質を下げずにコストを削減

製薬工場においてコストの削減は大事ですが、人の命や健康に関わる以上品質を下げるわけにはいきません。無人搬送車を導入することで生産ラインを自動化できれば、人件費を削減できます。

特に製薬工場で大きく工数を取られる検査工程を自動化できれば、効率的であるうえにヒューマンエラーを減らせて品質向上にも繋がります。

製薬工場における無人搬送車導入事例

無人搬送車を含めたロボット導入で生産性の向上が実現

新工場にて11種類のロボットを全面的に導入した製薬工場。無人搬送車では、容器を搬送する無人搬送ロボットを導入しました。ロボット化することで生産工程の完全自動化が可能に。生産性の向上に繋がりました。

参照元:公式HP(https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/mag/15/00148/00015/

製品数×走行性能で比較無人搬送車(AGV)
メーカー5選

無人搬送車(AGV)メーカー32社のうち、製品数の多い順に5社を厳選。各メーカーの製品数と種類で比較していきます(2021年4月15日時点の情報)。

幅広い対応力で
理想のAGVを提案
ヘッズ

公式サイトで製品を
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製品数
50製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
屋外型イメージ
屋外型
コンベア型イメージ
コンベア型

20t超の
超重量搬送に対応
エレメックス

公式サイトで製品を
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製品数
20製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
屋外型イメージ
屋外型
重量型イメージ
重量型

非生産系分野の
実績多数
シコウ

公式サイトで製品を
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製品数
12製品
ラインナップ
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
コンベア型イメージ
コンベア型
重量型イメージ
重量型

多種多様な
オプションを用意
愛知機械
テクノシステム

公式サイトで製品を
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製品数
11製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
牽引型イメージ
牽引型
屋外型イメージ
屋外型

現場に合わせた
誘導方式を提供
明電舎

公式サイトで製品を
詳しく見る

製品数
11製品
ラインナップ
積載型イメージ
積載型
低床型イメージ
低床型
フォークリフト型イメージ
フォークリフト型