ホテルの仕事内容は、担当する部門によって大きく異なります。ここでは、慢性の人手不足におちいっているホテル業界において、特にその影響を強く受けると考えられるフロントスタッフ、そして宿泊客の食事に関するサポートを担当するウェイター・ウェイトレスの仕事内容について、それぞれみていきます。
「早番(朝早くに出勤し、昼過ぎに帰宅するパターン)」「遅番(午後に出勤し、夜中まで勤務が続くパターン)」「夜勤」の3シフト制が採用されているケースが多いフロントスタッフの仕事。遅番後に仮眠室で睡眠をとり、翌日は早番の勤務、といったようなハードスケジュールやシフトが組まれることもあります。
メニューの説明をし、注文をとり、ドリンク・料理を提供する。これがウェイターおよびウエイトレスのおもな仕事内容。宿泊客・利用客がストレスなく食事をとれるようサポートしていく業務です。また、ルームサービスの場合は、電話による注文に対応し、注文の品を客室まで運ぶこともあります。
ホテル業界では、ホテルスタッフの仕事がハードであるという課題があります。特に、生活スタイルが乱れがちになってしまうことと、力仕事の側面が強いこと、この2点が顕著だといえます。
ホテルでは、スタッフには早番・遅番・夜勤の3シフト制が採用されている場合が多い、というのは上述のとおりです。特に、遅番の次に早番、という流れのスケジュールを組まれてしまうと、その間は仮眠室にて仮眠をとるだけの時間になってしまいます。例えば、深夜1時から3時までの仮眠ということもあり得るため、生活リズムはどうしても乱れがちになります。
仕事中は基本的に立ちっぱなしであるため、体力的な負担は決して小さくないでしょう。しかも、さまざまな業務をこなすためにホテル内をたくさん移動する必要もあります。特に、ベルスタッフなどの場合、宿泊客の荷物を1日に何度も運ぶ業務があります。かなり重い荷物もあるため、体力をかなり消耗しそうです。
さまざまな業界において人手不足が深刻な問題になっていますが、それはホテル業界でも同様です。仕事は決して楽ではないですし、また、お客様に対するホスピタリティの精神ももとめられます。マニュアル通りの対応でこなせる業務ではないため、スキルが求められる仕事だといえます。
こういった背景もあり、雇用を思い通りに進めるのはなかなか容易ではないはずです。とはいえ、人手不足はかつてはそれほど深刻ではなかったはずです。具体的にどのような原因が現在の人手不足を招いているのでしょうか。
ホテル業界における人手不足のおもな原因は、やはりインバウンド需要の劇的な増加だといえます。日本政府観光局が発表しているデータによると、2017年の訪日外客数は2,869万900人となっています。前年比19.3%というかなりの伸び率です。訪日外客数の国別内訳についてですが、米国は137万5,000人、ヨーロッパは107万7,500人、アジアは2,129万1,600人、東南アジアは305万400人となっています。
参照元:(pdf)日本政府観光局公式HP(https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/180116_monthly.pdf)
インバウンド需要の高騰により、まさに、世界中のエリアからさまざまな母国語や文化的背景をもつ観光客が日本を訪れていることがわかります。きめこまやかな対応をおこなうには、語学力や食事の際のハラル対応など、さまざまなスキルや知識が求められるため、ホテルスタッフにとっては決して少なくない負担がかかっているわけです。
参照元:リゾLAB(https://www.resort-lab.com/593/ )
上述のように、インバウンド需要の増加にともない、仕事で求められるスキルが高まっています。そんな中、労働環境の改善策を打ち出さないことには、なかなか人手不足を解消するのは困難だといえます。
そこで、大きな課題である「ホテルスタッフの生活が不規則になりがちなシフト制」に、改善を加えるなどの工夫をすることが求められます。また、荷物や食事を運ぶなどの力仕事によるスタッフの負担を軽減する方法も、あわせて考えなくてはならないでしょう。
生活が不規則になるシフト制を改善したりスタッフの体力的負担を軽減したりするためのひとつの方法として、無人搬送車の導入が挙げられます。物を運ぶ業務の一部を無人搬送車がおこなえるようになれば、人手不足の解消だけでなく、業務効率アップにもつながるはずです。
旅館内でのレストラン業務や宴会場への料理の配膳業務を無人搬送車に任せ、重労働の一部を省人化できるようになりました。特注の台車も導入したため、16人分もの料理を一度に運ぶことが可能です。おかげさまで、かなりの業務効率アップにつながっています。