近年注目が集まっている無人搬送車に関して、実際の市場規模はどうなっているのでしょうか。
日本と世界のそれぞれにおいて、無人運送車の市場規模を見ていきましょう。
Reportocean.comが発表したレポートによると、無人搬送車の市場規模は2019年時点で52.1億ドルと評価されました。
たとえば、アメリカの情報誌であるRolling Stone社が2018年に発表した、当時のK-POP音楽市場が約50億ドル。
以上の鑑みると、今の市場において無人搬送車がいかに成長しているかがわかります。
さらにReportocean.com社は、無人搬送車市場は2027年には135.2億ドル相当まで成長すると予測しています。
参照元:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000310.000067400.html)※2021年7月調査時点
無人搬送車市場がここまで成長を遂げた裏側には、用途の多様さが挙げられます。
運搬する荷物の特徴に合わせて、積載型や牽引型、フォークリフト型など様々な運搬方式があります。
また、工場や倉庫などの屋内だけでなく、屋外での使用にも耐えられるように、屋根付きの無人搬送車などもあります。
用途の広さから、自動車業界や製造業界をはじめとして、飲食業界などでも商品運搬の効率化を目的として、無人搬送車が導入されるケースが増えています。
グローバル規模で注目されている無人搬送車は、日本国内においてもその市場規模を成長させています。
一般社団法人日本産業車両協会が実施した調査によると、日本国内における無人搬送車の納入台数は2018年に3382台を記録。
2014年からの4年間で、およそ2.4倍の成長を遂げたといいます。
リーマンショック発生後の2009年に市場が大きく縮小したものの、その後は急成長を続けています。
参照元:協働ロボット.com(https://www.kyodo-robot.com/blog_amr/202005-amr3)※2021年7月調査時点
日本国内でも無人搬送車の市場が拡大し続けている背景には、無人搬送車の特徴が業界や業種の枠を超えた社会全体のニーズに対応できているからだと言えます。
例えば、近年の自動車業界では自動運転技術に対して注目が集まっており、ロボット分野では自動ロボット技術の開発が進んでいます。
少子高齢化に伴う人手不足が深刻化する中で、新型コロナウイルス感染拡大に伴って人の作業を無人化する必要性も高まっています。
こうした社会全体が抱える業界横断的なニーズに応えているのが無人搬送技術であり、結果として無人搬送車市場が成長を続けていると言われています。
今後、日本では労働人口の減少が深刻化し、世界規模では業務効率化の波に加えて感染症拡大防止の流れもさらに強まることが予想されます。
こうした時代の趨勢を受けて、無人搬送技術や無人搬送車業界もさらなる成長が見込まれ、様々な業界に無人搬送車が導入されることが予想されます。
日本だけでなく、今や世界全体で市場成長が続いている無人搬送車には、用途に合わせて様々な種類があります。
物流技術は今後もさらに革新が進むことが予想されるため、自社の業務効率化や省人化の施策として無人搬送車を導入する会社も増えていくでしょう。