食品工場で製造された冷凍用の食品などを保管しておくための倉庫を、冷凍倉庫といいます。かなりの寒さのきつい冷凍倉庫内でおこなう業務には、大きく分けて「検品作業」「梱包作業」「出荷作業」の3つがあります。
例えば冷凍食品を扱う場合であれば、賞味期限確認が特に大切な検品作業となります。すでに期限が過ぎているものはもちろん、迫っているものに関しても、廃棄の扱いになるケースが一般的です。賞味期限の確認が終わったら、次に不良品が含まれていないかどうか、そして異物などが混入していないかどうか、といった確認作業を目視により実施します。
検品作業を終えた商品を、今度は梱包する作業に移ります。段ボール箱などに、できる限りスピーディーに詰め込んでいく作業となります。梱包が済んだら、段ボール箱を荷積みしていきます。フォークリフトで運搬するので、その際に作業をおこないやすいように積んでおくこと大切です。
梱包作業を終え、荷積みされた段ボール箱を、今度はフォークリフトを使って冷凍車へと運搬する作業をおこないます。この作業中は、商品が外気にさらされる状態で進められる場合もあります。そのため、いかに時間をかけずにスムーズに終えられるかが重要なポイントとなります。冷凍車への積み込みが完了したら、バイヤーや集配センター、あるいは港、飛行場などへ出荷されれ、業務完了となります。
商品の鮮度を保ったまま配送しないと、のちのちトラブルの原因となります。商品が消費者の手元に届くまで、温度管理などを徹底させておかないと、すぐに品質が低下してしまうので、商品として成り立たなくなってしまう可能性があるのです。
冷凍・冷蔵商品を扱う物流業務では、作業のプロセス自体は通常の商品を扱う場合とかわりません。ただ、常温での作業ができないため作業スペースが限られるだけでなく、温度帯の変化に対し常に細やかな配慮を心がける必要もあり。こういった状況では業務効率や生産性を高めるための工夫は、常温倉庫以上の難しさがあります。
出荷作業や積み下ろし作業などをおこなうときは、通常の商品の場合よりも多くの注意を払わなくてはなりません。特に、商品が外の空気にさらされることになる作業であるため、時間との勝負にもなります。
冷凍倉庫内での作業が多いので、とにかく防寒対策をしっかりとしておくことが大切です。冷凍食品工場の設定温度は、なんとマイナス15度以下。工場や設備によっていくらかの差はあるものの、いずれも厳しい寒さであることには間違いありません。具体的には、吐く息が凍るようなレベルとなります。とはいえ、そのような環境自体を改善することはできないので、工場内で働くスタッフ自身が充分な防寒対策をするしかない、というのが実情です。
防寒対策をする上で特に意識しておきたいのは、とにかく首や背中、お腹などの部位を冷やさないようにすることです。手先を使う作業となるため、手と指を温かく保つための防寒具の着用も大切です。特に慣れないうちは、普段と違う感覚や体調不良などを感じるようであれば、一旦外に出てみましょう。
もうひとつおさえておきたいポイントは、工場内と工場の外の温度差の大きさです。こまめに服装を調節して体調管理をすることが必要です。
さまざまな制約があるため、業務効率・生産性を向上させることが難しい業務ではありますが、無人搬送車を導入することによって、そういった課題の部分的な解消が期待できる場合もあります。冷凍倉に対応可能な無人搬送車を使用すれば、業務の一部を任せられるようになります。過酷な環境ですべての業務をこなしてきたスタッフの負担が軽減されるため、業務の効率化にもつなげることができるわけです。
スタッフがフォークリフトで搬送してきた梱包済みの商品を、無人搬送機に引き継がせるかたちで導入しています。この工場では、マイナス10℃の荷捌き室にて商品を分けたあと、出荷がおこなわれる流れになっています。無人搬送車は、夜間に荷捌きをする場合の搬送作業において大活躍しています。
夜間搬送を自動化できたおかげで、スタッフに別の作業を担当してもらうことが可能になりました。そのため、スタッフの安全面の向上にも寄与してくれています。また、荷主には物流品質の向上についてのアピールもできるようになりました。
参照元:(pdf)物流DESIGN( https://www.logisnext.com/design/_assets/dl/design-13.pdf )