飲食店での仕事内容はさまざまです。ここでは、そのなかから、飲食業界で大きな課題となっている人手不足によって影響を強く受ける業務のひとつである、ホールを担当するスタッフの仕事内容について中心的にみていきましょう。
飲食店において、ホールスタッフが担当する仕事は多岐にわたります。主なものとしてはお客さんを席まで案内することや注文を取ること、料理の提供、料理の片づけ、精算業務などが挙げられます。お客さんの待ち時間をできるだけ短くするために、常に気をつかわねばなりません。そのため、できるだけ無駄なく移動するといった工夫も重要なポイントになってきそうです。
ホールスタッフの一般的な仕事内容に加えて、ドリンクづくりや料理の盛り付け作業、さらには店舗の清掃なども担当しなくてはならない現場もあります。力仕事でもあるため、なかなか体力的にきついと感じられることもあるでしょう。
さまざまな業界で人手不足がさけばれている昨今、飲食業界においてもそれは同様です。ここでは、人手不足に加えて、飲食店がどのような課題を抱えているのかをみていきましょう。
飲食店の店舗を運営していく立場である店長は、さまざまな業務をこなしていかねばならないため、とても多忙です。目標の売り上げを達成するための計画を立て、さらにそれを実現するためにスタッフ教育を徹底する必要もあります。加えて、飲食業は接客業なので、来客状況を先読みしながら次の行動を考えなくてはなりません。
実際にホールスタッフをした経験がある方々の声をみていると、お客さんからのクレームに関するものが少なくありません。気難しいお客さんや神経質なお客さんなど、お客さんにはさまざまな方がいるので、なかなかスムーズに対応するのは容易ではなかったという体験談が目立ちます。クレームの窓口としての役割も担わなくてはならないため、かなり大変な側面のある仕事だといえそうです。
7割を超える飲食店が人手不足の問題を抱えている現在の状況では、労働環境を改善するのはかなり難しいことであると考えられます。とはいえ、少しでも環境改善策をうちだしていくようにしなければ、人手不足はさらに悪化の一途をたどっていくことになりそうです。ここでは人手不足を解消する方法についていくつかみていきましょう。
雇用条件があまりよくないと、どうしても求人への応募者数が増えにくくなるのは当然の反応です。特に、同じエリア内での同業種の他店よりも報酬を低く設定していると、求職者にとってはあまり魅力的な求人とは感じられないでしょう。また、どうしても報酬をアップするのが難しいのであれば、働く側にとってわかりやすい基準を持つ評価制度を用意したり、あるいはまかないを提供したりするなどの工夫をするのもひとつの方法です。
人間関係の問題でスタッフがやめてしまうようなことがあれば、人手不足は悪化することになり、店舗運営にとってかなりの痛手となります。人間関係が良好とはいえないような雰囲気に職場がおちいってしまっているのであれば、改善策を講じる必要があります。スタッフとの面談を定期的におこなったり、スタッフ同士のやりとりをしっかり観察したりするなどして、問題点を認識した上で解決方法を考えていかねばなりません。
新しいスタッフの雇用がなかなかできない場合には、業務内容をいまいちど見直してみると、環境改善のためのヒントを得られる可能性があります。たとえば、確認作業やメンテナンスなど、必要以上に高い頻度でおこなっている業務があるかもしれません。業務に少しでも無駄があればそれをカットするようにしましょう。
飲食店の環境改善策の一例として紹介した上述のような工夫や取り組みは、確かに環境を改善してくれる可能性があるでしょう。とはいえ、正社員ではないスタッフが多い場合は特に、突然辞められてしまうことも決して珍しくないケースです。
こういった観点から、人ではなく無人搬送車のような設備・機械を導入することで人手不足および業務効率化につなげるのも、ひとつの方法だといえます。多くの移動をともなうホールスタッフの業務の一部を無人搬送車に任せることができれば、生産性アップなどの効果を期待できそうです。
1店舗あたりに4台ずつ自動搬送車を導入しました。その結果、人材確保という、それまで抱えていた大きな課題が解消されました。配膳作業にあてていた人手を接客サービスにあてることができるようになったため、顧客満足度のアップにもつながりました。人員配置の最適化が実現され、助かっています。