物流倉庫における課題と改善策について紹介します。また、無人搬送車を導入することによって解消が期待できる課題や、無人搬送車導入事例についてもまとめました。
ピッキングとは、伝票や指示書に記載されている情報に従って倉庫に保管されている在庫品の中から指定された商品や荷物を選び取っていく作業のこと。これから出荷予定の荷物や商品をピックアップする出荷前の準備作業といえます。
ピッキングは基本的に箱やかごを持った作業員が倉庫内を歩いて移動し、品物をピックアップしていきます。またベルトコンベアやフォークリフトを使用するなどの方法もあります。
検品とは、入荷・出荷する商品や荷物の状態をチェックする作業のこと。傷やへこみ、部品の破損、シミや汚れなどをしっかりチェックし、不良品や欠陥品を検出します。
商品の不良や欠陥はメーカーやブランドの信用問題に直結することもあるので、責任が求められる重要な仕事です。
集荷した商品を指定の場所に分類する作業のことを仕分けといいます。倉庫には数多くの荷物や商品が届きますが、それらをスムーズに探し出してスピーディーに出荷できるようきちんと分類しておく必要があるのです。
梱包は、ピッキングされてきた商品をダンボールなどに収納して発送可能な状態にする作業です。倉庫によってはピッキングされてきた商品が梱包予定の商品で間違いないか最終チェックを任せられることも。場合によっては仕分けと梱包の両方を同時に行うケースもあります
運搬中に商品が破損しないようにする重要な作業です。特に破損しやすかったり折れ曲がったりしやすい陶器や本、食品類の梱包は丁寧に行わなければいけません。
フォークリフトという特殊自動車を操作し、倉庫内や配送センター内の荷物の運搬や積み下ろしや仕分けを行います。フォークリフトは多くの荷物を同時に運搬することが可能なため、倉庫内でも日々活躍しています。フォークリフトの運転には資格が必要です。
ネット通販の普及などにより物流業界は人々の生活になくてはならない存在になりました。そして、その商品を管理する倉庫での業務も激化しています。トラックに荷物を積み込む回数が増えて業務負担が大きくなっている一方、従業員の高年齢化による人手不足が問題となっています。人手不足にも関わらず業務負担が大きいので1人当たりの業務時間が長くなり、より人手不足が悪化するといった事態に。
人を雇ってもすぐに即戦力になるわけではないため、経験豊富なベテラン社員に作業の負担が偏ってしまうという属人的な課題もあります。
人手不足から倉庫での作業に最低限の人員しか配置していない企業も少なくありません。そうすると一人ひとりの負担が大きくなり、荷物の数え間違いやピッキングミス、ロケーションの不一致などヒューマンエラーが発生しやすい環境になってしまっています。
エクセルなどで在庫管理や入出荷状況の管理をしている倉庫もあります。その場合、エクセルを更新するのは作業完了後になります。実際の現場のリアルタイムな状況とエクセルシート情報にタイムラグが生じてしまうことに。本来必要なかった在庫移動や入荷が発生し、業務の効率が下がる原因となります。
倉庫管理システムとは、倉庫内に保管している商品や荷物の情報を一元管理するシステムのことです。倉庫管理システムを導入することで、入庫や出庫などの移動距離を短縮でき省人化を図れます。作業状況をリアルタイムで共有できるため、在庫のロスを抑えて業務の無駄を省くことができるでしょう。
倉庫での作業は個人のスキルや経験によって生産性が異なります。倉庫管理システムによって業務を標準化することで、経験が浅い作業員でも安定した業務を行うことができ品質が保証されます。
倉庫の作業は重たい荷物を運ぶ肉体労働が基本なので、これまであまり女性や高齢者が登用されていませんでした。しかし、業務内容の細分化や労働時間のルール設定を変更して誰でも働ける環境を構築すれば、さまざまな年齢層の人でも働くことが可能となります。採用の幅を広げることで人手不足解消に繋がるでしょう。
大型の倉庫であれば作業員が1日に10km以上移動することも珍しくありません。しかし、無人搬送車を導入すれば人が行っていた作業をロボットが代替してくれます。作業員の労力を大幅に削減できるようになるでしょう。また危険な作業も無人搬送車によって安全に行えます。
無人搬送車であれば、ロケーションが頻繁に変更されても影響を抑えることができます。採用したばかりの人材でも商品の位置を覚える必要がないため、ベテラン社員との作業スピードの差が縮まります。
精度管理や労務管理に工数を多く取られていることが課題だった物流倉庫。無人搬送車やAGVで搬送可能な棚、小規模WMS導入したことにより在庫管理工数の削減を実現。作業員の削減もできました。
広大な広さのため入出庫など商品搬送にかかる時間と労力が課題だった物流倉庫。無人搬送車の導入により商品搬送の省人化と効率化を実現。人にしかできない仕事にスタッフを集中させられるというメリットが生まれました。